ひかり電話停電対策一般例
電力不足と言えば2011年の東日本大震災後の計画停電がまだ記憶に新しいですが、その後の 2021年、2022年の冬も諸問題で電力不足が起こり、今後何らかの対策を行わない限り、深刻な 問題になりつつあるようです。電力不足での停電も然る事ながら、単なる事故での停電もあり得 ます。実際、弊社のある豊島区南大塚では、2012年5月23日に地域停電が起きました。その時の 様子が⇒「NIKスタッフブログ/南大塚突然の停電で弊社も直撃」です。実際に停電が起きた場 合に100%完璧な対策というのは無いとは思うのですが、緊急的に一時をしのぐことは可能です。 会社の電話には、それぞれのご使用環境に合わせて色々な組合せがありますが、ここでは、弊社 のお客様でも最も多い組合せの「ひかり電話+ビジネスホン」の停電対策、こちらについてザッ クリとご説明いたします。
いやうちの会社が停電になった時はびっくりだったけ ど、停電になると電話もビジネスフォンも止まっちゃう んだよね。ということで、ここでは「ひかり電話+ビジネ スフォン」の停電対策について少し説明します。
「ひかり電話オフィスタイプ」を使用した場合の停電対策一般例
ひかり回線の主な屋内使用機器
ONU
回線側はNTT東日本「ひかり電話オフィスタイプ」を使用した場合 の停電対策一般例となります。まず、回線側ですが、ひかり電話に は「フレッツ・光」と称した光ファイバーのケーブルが引かれてあ り、その終端に「ONU」と呼ばれる終端装置が接続されてます。
VoiPアダプタ(OG)
このVoiPアダプタ「以下OG」には通話信号を「アナログ」に変換 するものと「ISDN」に変換するものがあり、ここで変換された信号 を「ビジネスフォンの主装置」に収容することで(ビジネスフォン に限らず、アナログ、ISDN収容可能な物)ビジネスフォンの外線 が使用可能になります。ひかり電話にて外線通話をするには、 「ONU」と「OG」が最低限必要で、この2つには電源が必要です。
従いまして、局舎側から光信号が届いていても「ONU」「VG」の電源が停電すると通話が出来なく なります。当然ビジネスフォンの主装置も電源を必要としますので、「ONU」「OG」「ビジネスホン 主装置」この3点うち1つでも電源が遮断されると通話ができなくなります。
では次に、ひかり回線アダプターとビジネスフォン設 備での停電対策について説明します。最近のビジネス フォンは、ONU+OGが内部に設備している物もありま すが、ここではONU+OGが外部設備になる停電対策の 一般例です。
光電話+ビジネスフォン停電対策一般例
下図は、ひかり回線設備ービジネスフォン設備の接続一般例です。電源は「ONU」「OG」「ビジネ スフォン主装置」の3点がそれぞれ単独で電源が必要となります。
主装置電源のバックアップ
まず「ビジネスフォン主装置」のバックアップですが、上構成図での「岩通プレコットネクスト」主装置ですと、基本は容量の少ない左写真のような内部バッテリーを積んでいます。
この内部バッテリーですと停電時のバックアップ時間が3~6分です。
停電即復旧の瞬断停電なら3~6分程度のバックアップでもOKですが、長い停電ではアウトです。
そこで、主装置側にはメーカーで用意してる専用外部バッテリーを 主装置に設置します。これにて、主装置のシステム容量が少ないS タイプで約2.5時間、Mタイプで約2時間、容量の多いLタイプで約 1時間バックアップされます(時間は目安です)。
ONU/OGの電源バックアップ
次に「ONU」「OG」のバックアップにはUPSを使います。ONUは (種類にもよりますが)消費電力が約12W、OGは約48W、合計約60 Wとなりますので、2時間バックアップを可能にするとなると余裕を 持って見て出力電力容量670W / 1000 VA 以上のUPSがお勧めとなります。
各電源バックアップ後の構成図
上図のように、UPSを追加させます。様々な環境により異なるので絶対とは言えませんが、ここま での対策で1時間はOKと言えます。
バッテリーが放電後、充電に時間がかかってしまう
上記の対策で問題になるのが、バッテリーが放電後、充電に時間がかかる、ということです。ですの で、例えば毎日長時間頻繁に停電してしまった場合、復電後のバッテリー充電が間に合うか、という ことと、上記バックアップ時間以上の長時間の停電には対応できない、というところです。
結論として、停電した場合には、結局蓄積した電気に 頼る・・・ということになるわけですね。電気はやはり 大切です!!